今回はDSW(サムロータリスイッチ)の数字を三菱シーケンサのデータレジスタへ取り込む方法を紹介します。
サムロータリスイッチは下図のような形状をしています。図では4つのスイッチが連結されていますが、一つだけで使うことも可能です。
今回の記事は
・初心者でデータレジスタの意味さえ分からない方
・DSWは知ってるけど使い方は全く分からない方
・ある程度知識や経験はあるのにこの機器は使ったことがない方
DSWからデータレジスタへの数字の取り込み方
DSWからデータレジスタへ数字を取り込むときは『BIN』命令という専用の命令を使用します。
BIN命令はBCDデータをBIN変換する役割をします。
BCDとは2進化10進数のことです。2進化10進数の意味としては2進数の値を4桁用いて、10進数における1桁分の値を表現するものです。BINとは2進数のことです。
つまり、DSWの表示は2進化10進数を表現していますが、BIN命令を使うと2進数に変換することが出来ます。
なぜわざわざこんなことをするのかというと、三菱シーケンサ(PLC)内部では2進数(BIN)でしかデータを扱うことができないからです。
BINの後に続くK1X0Cの意味は以下のようになります。
K1→4ビット分のデータを指定。
X0C→DSWの一番若い番号。上のK1とセットでX0C、X0D、X0E、X0Fの4つを指定。
D80→変換された2進数を保管しておくための箱(データレジスタの80番目)
動作としてはPB1が押されたら、現在DSWが表示している数を2進数に変換してD80にいれる。という形になります。
DSWの中身って?
そもそも、DSWの中がどうなっているかというとひとつの数字に対して4つの小さなスイッチが入っています。DSWはカチカチとスイッチを押すと表示されている数字が一つづつ増えたり、減ったりします。
それと同時に内部の4つスイッチが表示されている数字に合わせてONまたはOFFするようになっています。
例えば0が表示されている時は内部では0000というようにすべての信号がOFFしています。
1が表示されているとき、内部では0001というように一番下の桁に1が立ち上がります。
次に2が表示されている時は0010となります。2進数ですからすぐにケタ上がりしてしまいます。
一覧にするとこのような感じになります。
0→0000
1→0001
2→0010
3→0011
4→0100
5→0101
6→0110
7→0111
8→1000
9→1001
DSWの用途
例えばDSWに表示されている数分だけサイクル動作を繰り返して、完了したらサイクルを終了するだとか、製品の品番を指定したりだとかさまざまな用途があります。
ちょっと古い設備ではまだ現役で使われていたりしますので、しっかりと回路の作り方を頭に叩き込んでおいた方が良いと思います。
まとめ
・DSW(サムロータリスイッチ)の内部には4つの小さなスイッチがある
・DSW(サムロータリスイッチ)から数字を取り込むにはBIN命令を使う
・BIN命令は2進化10進数を2進数に変換する役割がある
今回も最後までお読み頂きありがとうございました!
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