今回は三菱シーケンサで使用されるパルフ接点とパルフ命令について解説したいと思います。
今回の記事は
・そもそもパルフ(PLF)が何なのか分からない方
・パルフ接点とパルフ命令の違いと使い分けが良く分からない方
・三菱シーケンサの初心者の方
におすすめです。
結論としては、パルフ接点はそれ単体で信号OFFした瞬間だけONする信号を作ることができるもので、パルフ命令は一旦コイルで信号を受けてからパルフ信号を作るものになります。詳しくはこれ以降で書いていきたいと思います。
三菱シーケンサのパルフとは
パルフは英語でFalling pulse と書きます。日本語に訳すと”立ち下がり”という意味になります。
三菱シーケンサで扱うパルフの場合は、入力信号が切れた直後に一瞬だけ内部リレー等をONさせる働きをします。
タイムチャートで表現すると以下のような形になります。
押しボタンX10を例えば2秒間押し続けたとします。通常のパルフを使用しない回路であればボタンが押されている間だけ出力M20はONし続けますが、パルフ接点(またはパルフ命令)を使うと一番最後、入力がOFFした直後に一瞬だけM20がONすることになります。
パルフ接点やパルフ命令はコンベア状のワークが通過した確認を取りたいときやワンサイクルを終了させたい時などに使用すると大変便利なものになります。
なお一瞬ONすると表現しましたが、正確には1スキャン分だけONします。三菱シーケンサに代表されるPLCのラダープログラムは上から順番に計算されるのですが(スキャンと言います)その順番が回ってきたときの1回目だけがONしてその他は無視すると考えると分かりやすいと思います。
パルフ接点とパルフ命令の記号
次にパルフ接点とパルフ命令の記号の違いと役割の違いについて解説します。
パルフ接点の記号
パルフ接点の記号は以下のようなものなります。
普通のA接点に下向きの矢印が入ったものですね。回路入力の際に表示される接点ウインドウの▼マークを押すと選択できます。GX Works2以降のみで使用できます(GX Developerではサポートされていないので、あとで紹介するパルス命令を使います)
ラダー回路で表すと以下のような形になります。
接点部分だけが変わって出力部は変化ないのが分かると思います。
パルフ命令の記号
パルフ命令の記号は以下のようなものなります。
普通のコイルの先頭にPLFという文字が入ったものですね。回路入力の際に表示されるコイルウインドウの▼マークを押すと選択できます。GX Works2、GX Works3、GX Developerでも使用できます。
パルフ接点と違うところは、この命令だけでは働けないというところです。別で使用したデバイスのA接点を設置する必要があります。この場合のA接点は、見た目は普通のA接点ですが働きとしては上で説明したパルフ接点と同じ働き方をします。
ラダー回路で表すと以下のような形になります。
出力部だけが変わって接点部には変化がないことが分かってもらえると思います。
パルフ接点とパルフ命令の使い分け
パルフ接点の場合はデバイス(内部リレーM○○など)をある部分では普通のA接点として使用し、ある部分ではパルフ接点として使用するというように自由に選択できます。パッと見でパルフ扱いなんだと記号を見て判断できるのがメリットです。
パルフ命令の場合はデバイス(内部リレーM○○など)を全てパルフ扱いにしてしまいます。いちいちパルス接点を入力しなくても、例えばM20は全てパルス扱いにしたいといった場合に便利です。
僕としては使い分けが利くパルフ接点の方がおすすめですが、状況によって使い分ける事で回路入力の時間の短縮や回路の見易さの向上に効果があります。
まとめ
・パルフ接点とパルフ命令は入力がOFFした最後の一瞬にONする信号を作り出すもの
・ワークの通過確認などに効果を発揮する
・状況によってパルフ接点とパルフ命令を使い分けて時短や見やすい化ができる
パルフの働きを知っていると回路作成の幅が結構広がって行くと思いますので、ぜひ使い方を身につけられるようにしてくださいね(´∀`)
今回も最後までお読み頂きありがとうございました!
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