特級技能検定を受験した体験談と合格のためのコツや反省について

今回は技能検定特級を受けて来た体験談と反省点についてをまとめたいと思います。このやり方で先日無事一発合格できました。※2019年3月17日追記

この記事は

・これから技能検定特級の勉強を始めたいと思っている方

・技能検定特級の勉強のコツを知りたい方

・技能検定特級の試験前や試験中に気をつけるべきことを知りたい方

におすすめです。


技能検定特級とは

技能検定の1〜3級ならこれを読んでいるあなたも知っているかと思います。しかし今回僕が受験したのは特級です。特級とは一体どんなものなのでしょうか?

技能検定の取りまとめを行う中央職業能力開発協会(JAVADA)のホームページでは以下のような表現がされています。

特級・・・・・・・・・管理者または監督者が通常有すべき技能の程度

1級及び単一等級・・・上級技能者が通常有すべき技能の程度

2級・・・・・・・・・中級技能者が通常有すべき技能の程度

3級・・・・・・・・・初級技能者が通常有すべき技能の程度


この表現から見ると特級技能士は上級と言われる1級のさらに上、職場の技能者たちをまとめる管理監督者の立ち位置であると言えます。

 

技能検定特級の受験資格

実際に受験をするためには特定の技能検定の1級に合格し、その後5年の実務経験する必要があります(特級が存在しない職種もあります)。

試験の内容としても、その職種の技能を試すと言うよりは作業指導、製品原価、設備保全、品質管理、工程管理など、管理監督者として知っていなければいけない知識や技能を試されることになります。

 

僕自身は保全、品質、作業指導の知識や経験はあるもののそれ以外についてはほとんど知識0からの勉強になり、かなり苦戦を強いられました。

過去5年間の合格率を見ても10%〜30%と高くはなく、実務である程度知識や経験を積んだ後に受験するのがやはり正攻法と言えるかと思います。

技能検定の合格率については厚生労働省が公開しているPDFをご覧ください。

 

技能検定特級の試験の概要と合格点

特級の技能検定は以下の二つの試験で構成されています。

①学科試験

②計画立案等作業試験

ではそれぞれの試験がどのようなものなのか紹介したいと思います。

 

学科試験

学科試験は五肢択一法(簡単に言うと5つの選択肢から一つ選ぶ問題)です。問題数は50問で、試験時間は120分、試験開始から30分経過後までは拘束され、その後自由に退室可能です。

試験科目は以下の8科目です。

①工程管理 

②作業管理 

③品質管理 

④原価管理 

⑤安全衛生管理及び環境の保全 

⑥作業指導 

⑦設備管理 

⑧各職種に関する現場技術

 

各職種の試験区分(簡単に言うとテスト範囲みたいなもの)については厚生労働省のホームページを参照してください。上でお伝えした特級が存在するかどうかも同時に確認することができます。

合格点は65点以上です。学科試験は全部で50問ありますから、33問正解(66点以上)で合格となります。

 

計画立案等作業試験

計画立案等作業試験は学科試験のような選択問題もあれば、計算問題や虫食い問題など様々な方式で問題が出されます。

問題数は9問(それぞれで2〜10問ずつあるので計70〜80問程度)で、試験時間は180分(一部科目では150分)試験開始から30分経過後までは拘束され、その後自由に退室可能です。

試験科目は以下の7科目です。

①工程管理 

②作業管理 

③品質管理 

④原価管理 

⑤安全衛生管理及び環境の保全 

⑥作業指導 

⑦設備管理

 

学科試験同様、各職種の試験区分(簡単に言うとテスト範囲みたいなもの)については厚生労働省のホームページを参照してください。

合格点は学科試験同様65点以上ですが、各問題の配点については非公開となっているため、単純な正答数の65%以上でも落ちる可能性があります。

 

特級技能検定合格のための勉強のコツ

では次に特級技能検定の合格のためのコツについて紹介したいと思います。
結論から言いますと、いきなり過去問に取り組むのはやめておいた方が賢明です。

なぜなら特級の試験はある程度知識がないと解けない問題が多いからです。いきなり過去問に取り組むと答え合わせの時に答えだけを覚えてしまう可能性があります。

同じ過去問を2回目以降といた時に本当に実力がついたのかそれとも答えをただ覚えているだけなのかどうかが分からなくなります。ですから、まずは薄っすらでも構いませんから専門書で知識をつけてください。

僕が実際に使った専門書はこちら↓

よくわかる 特級技能検定 合格テキスト+問題集 (国家・資格シリーズ 406)

 

講習会の参加するのもおすすめです。下のページから講習会の詳細を確認することができます。東京であれば19000円ほどで受講できますが、愛知県は5日間で67500円します(技能士会員は割引あり)

東京での講習会はこちらから

名古屋での講習会はこちらから(4番目の項目です)

 

いつから勉強を始めるか

いつから勉強を始めるかは個人の知識レベルによって変わってきますが、僕の場合は試験の約1ヶ月前から計画的に勉強を始めました。

流れとしては『専門書で知識をつける』→『専門書内の練習問題を行う』を8科目分行いその後に『過去問に取り組む』の順で行いました。

元々、作業指導、設備管理、品質管理の知識がある程度あったのでこのくらいで済みましたが、予備知識のない方はもう2週間くらいは余裕をみた方が良いかもしれません。合計1.5ヶ月ですね。

 

専門書で各科目の知識をつける

技能検定の勉強と言えば過去問でしょ?と思われる方も少なくないと思いますが、特級の場合は少し話が違います。上で書きました通り技能検定特級は管理監督者向けの技能検定になります。

つまり1〜3級までのようにあなたが持っている専門の知識(機械加工や機械保全、仕上げや電気機器組み立てなど)や普段業務で手を動かして行なっている技能は合格のためにはほとんど役に立ちません。

専門の知識が生きるのは学科試験だけで、しかもその20%も出題されません。ちなみに僕が受験した年は僕の仕事で使っている専門の知識は2問しか出題されませんでした。

 

試験合格に必要な知識は管理監督者になるための以下のような知識です。

①工程管理・・・市場の要求を満たし、かつ効率の良い生産計画を立てて、各工程のQCD(品質、コスト、納期)の目標達成を目指す活動のことです。

②作業管理・・・作業方法を標準化し、それを維持管理します。また作業の効率を上げるために改善活動を行うことです。

③品質管理・・・お客様に提供するサービスや製品がお客様の要求するレベルを満たしている状態を常に提供しようとする活動ことです。

④原価管理・・・製品の計画及び生産段階で原価を下げる活動とそれを維持達成する活動のことです。

⑤安全衛生管理及び環境の保全・・・労働者の安全と健康を維持するため、労働基準法に則り活動をすること及び健全な環境を後世へ伝承する活動のことです。

⑥作業指導・・・作業に必要な知識や技能を部下に身に付けさせるための活動のことです。

⑦設備管理・・・生産設備の機能及び性能を最大限発揮できるように維持する活動のことです。

 

おそらく普段手を動かしながら製品を加工している方にとっては、名前は聞いたことがあってもあまり深く考えたことのないことばかりだと思います。

しかしながら管理監督者には上記のような知識が必要不可欠です。

 

もし職場にこんな上司がいたらどう思いますか?

・計画が立てられず納期ギリギリにしか動けない上司

・製品に必要な品質レベルが分かってない上司

・仕事を教えるのが下手な上司

きっとその上司のことを信用できないと思います。つまり現場がまともに回らない=会社が成り立たなくなります。

あなたはそんな上司にはなりたくないはずです。誰からも慕われる、頼り甲斐のある上司になりたいはずです。

また、もし実際に使うことはなくとも知っていて損をするような知識では絶対にないと思います。いつ配置換えがあるかもわかりませんからね。

 

過去問を手に入れる

ある程度知識がついてきたら、今度は過去問に取り組みます。過去問の手に入れ方は3種類あります。

①市販の問題集を購入する

②各都道府県の職業能力開発協会から購入する

③メルカリやヤフオクで購入する

 

市販の問題集は10程度の職種の1年分の過去問がまとめて2000円ほどで売っていますが、各都道府県の職業能力開発協会では学科試験、計画立案等作業試験がそれぞれ500円程度で販売されています。

市販のものだと2000円で1年分しか問題が手に入りませんが、職業能力開発協会で購入すれば2000円で2年分の過去問が手に入ります。少し届くのに時間がかかるという難点はありますのでそこはご承知おきください。

 

例として大阪府の職業能力開発協会の問題等のコピーサービスのページをリンクしておきます。料金は各都道府県によって、また印刷するページ数によって異なるようです。

ある程度各科目に対して自信のある方は3年分の過去問を、自信のない方は3年分以上の過去問を手に入れてください。古くなるほど過去問は手に入りにくくなります。

 

試験が終わった直後であればメルカリ等のサイトで専門書が安く出やすくなりますので、受験予定の方は早めに調べてみると良いです。

また計画立案等作業試験の解答用紙はいづれにしても販売されていませんので、過去問が手元に届きましたら解答を参考にしながらエクセル等でオリジナルの解答用紙を作って置くこともおすすめします。

 

過去問に取り組む

過去問に取り組むときは専門書などのヒントになるようなものをできるだけ見ないでください。上でも少しお伝えしましたが、過去問に取り組むことで今の実際の実力を測ることができます。

ヒントになるものを見たらそれが実力なのか、それともそうでないのかが分からなくなってしまいます。あまりの出来の悪さに絶望するかもしれません。でもそれが今のあなたの実力であり、同時に伸びしろがたくさんあるということでもあります。

 

他に注意することは、各問題に対してどれだけ自信を持って答えられたかを○△×の3段階程度で評価しながら進めていくことです。

評価が○であればそれほど復習する必要はないでしょう。△であれば専門書の必要な部分を読み返す必要があるでしょう。×であれば専門書の該当科目についてもう一度勉強が必要です。

 

答え合わせをする

過去問が一通りできたら答え合わせを行います。○△×の評価を気にしながら採点を行なってください。ここで80%以上の正解率ならよほどのことがない限り合格できるかと思いますが、70%や60%では雲行きが怪しくなります。 

答え合わせをした後におすすめの勉強法は『1問の中から複数のことを学ぶ』ということです。どういうことか例を出して説明します。本物の問題は著作権の関係で載せられないので今回はフルーツについての問題で考えてみましょう。

 

問題 フルーツに関する以下の記述の中で誤っているものを選びなさい。

イ、いちごの表面には多数の種がある

ロ、バナナは日本原産のフルーツである

ハ、りんごには種があるので除去する必要がある

ニ、柿の旬のは秋である

ホ、ぶどうは品種改良によって種のないものも市販されている

 

答えは簡単ですね、ロのバナナは日本原産のフルーツである、です。ここでこの問題から他にも学べることはないでしょうか?今回の問題は『誤っているものを選ぶ』問題です。つまり答えのロ以外の記述は全て正しいということになります。

このように『誤っているものを選ぶ問題』『正しくないものはどれかを選ぶ問題』については専門書に乗っていない知識を学ぶチャンスです。ここを気をつけるだけで、類似の問題が出題された時に答えをかなり絞り込むことができるようになります。

 

 

試験当日の取り組み方のコツ

試験の前日までである程度自信をつけることが大前提ですが、いろいろな事情で勉強が間に合わないこともあるかと思います。

ちなみに僕は試験の3日前から胃腸かぜを引き、前日までトイレと仲良くしていました。計画では最後の3日で2回目の過去問を3年分行う予定でしたが、結局1年分しかやることができませんでした。しかしすでに1通りの勉強は終わっていたのでそれほど不安はありませんでした。

 

会場までの行き方

試験は通常どこかの大学や公共機関で行われます。普段行き慣れていないところに行くことになるので、当日不安にならないように行き方を調べておきます。

自家用車で向かっても良いですが、駐車場が確実に確保できない恐れのあるときは公共交通機関を使っていく方が賢明です。試験開始の1時間ほど前に到着できるようにしましょう。

 

試験前に焦ると冷静に試験に取り組むことができません。時間と心にゆとりを持つことはとても大事なことだと思います。

 

試験直前にすべきこと

試験直前には必ずトイレに行っておきましょう。試験時間は3時間と長いです。試験官に声をかけて途中でトイレに行くことはできても、その分『時間を無駄にしてしまった』という焦りが生まれてしまう可能性があります。

試験直前の勉強については専門書を使って自分の心配なところだけをさらっとやるのがおすすめです。逆におすすめしないのは過去問を必死で解くことです。試験前に大切な集中力を使うことになりますから腹をくくってやめておきましょう。

 

また試験当日の食事は普段より少なめの食事をおすすめします。食べすぎると血液が消化の方に回ってしまい、眠くなってしまったり集中力が下がったりしてしまいます。

当日僕は食事で失敗しました。午前中の学科試験が終わり、たまたま近くにあった牛丼チェーンに並んだのですが、15分ほど待たされたせいで空腹がピークにきてしまい、気がつけば普段の1.5倍から2倍の食事を摂ってしまいました。

 

試験中に気をつけること

試験中は当たり前ですが集中してください。一応30分したら退室は認められていますが、余程の天才ではない限りそんな早く試験が完了できる人はいません。

僕が受験した時も30分で退室していく人が何人かいましたが、おそらく問題を見て諦めた人だと思います。ですから他の人の退室のタイミングは気にしない方が賢明です。

 

問題が早く解き終わったとしてもできるだけ、制限時間ギリギリまで粘ってください。あなたはロボットですか?違いますよね?人間は必ずミスをする生き物です。

僕も5回試験を見直してから提出しましたが、試験後の自己採点で解答を左右逆に書いてしまったというミスをしました。かなり考えて解答した問題だったのでかなり悔しい思いをしました。

 

まとめ

・技能検定特級は1級取得から5年の実務経験が必要

・試験は学科試験と計画立案等作業試験がある

・科目は8種類あり、いきなり過去問をやるより予備知識を得た方が賢明

・試験中は他の人のことは気にせず、マイペースに、本気で見直す

技能検定特級は一筋縄では合格できません。僕の知り合いでも6年連続で受験して、いまだに合格できてない人もいます。もしこれから受験される方は長期戦になることを覚悟して、全力で取り組むようにしてください。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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