この記事にたどり着いたあなたは、シーケンス制御の検定に今年初めてチャレンジする、もしくはもうすでにチャレンジをしてきたけど中々合格が難しいと感じている方ではないでしょうか?
僕自身4年連続受験してやっと5年目で合格できたクチなので、合格できずに苦労されている方の気持ちは分かるつもりです。
この記事では技能検定シーケンス制御1級に合格のコツと過去問の入手方法について徹底的に解説します。もちろん2級3級を受験する際にも応用できます。
この記事は
・シーケンス1級にこれからチャレンジしようとしている方
・シーケンス1級に合格できなくて毎年苦しんでいる方
・過去問の入手方法が分からず困っている方
におすすめです!
技能検定シーケンス制御1級に合格するためのコツ
技能検定シーケンス制御1級に合格するためのコツを実技・計画立案試験・学科試験の3つの観点から紹介したいと思います。
実技試験と計画立案等作業試験の点数は合算で合否が決まりますが、どちらにも下限の点数が決まっているそうですので、どちらかを捨てることはできない為注意です。
シーケンス制御1級の実技試験のコツ
実技試験(製作等作業試験)は検定盤という試験盤を使い実際に配線・プログラミングを行い、指定された仕様通り動かすことが必要になります。
試験時間は例年通りですと2時間10分+延長20分(延長の場合減点)です。
合格のためには以下のポイントを抑えておく必要があります。
本番と同等の検定盤を使用する
実技試験本番では検定盤と呼ばれる専用の機器が用意されています。
検定盤には電源、コンベア、ランプ、スイッチが取り付けられており、これらを駆使して仕様通りの動きになるように配線及びプログラムを組みます。
やはり本番で使用するものを練習時にも使った方が試験には安心して望めるかと思います。
個人で購入するには少し値段が貼りますので、所属している会社や団体で購入してもらうのが良いです。正規品はこちらから→シーケンス制御作業盤(オムロンのサイトに飛びます)
実技試験のプラグラムをパターン化する
過去問をやっている人は結構多いと思いますが、ただなんとなくやっているだけでは試験に合格することは難しいです。過去問にはある程度パターンがありますのでそれに気付くことができれば合格に近づくことができます。
例えば
・異常表示の仕方
・品番確認の仕方
・停電時にどのように復帰するか
・ONとOFFの長さが違うフリッカー など
このような回路を自分の中でパターンとして記憶しておいて、問題を見た瞬間に回路が頭に浮かぶくらいになっておくことが重要です。
実際の試験では過去問にない新たな仕様が追加されてくるのが通例です。そこに1点集中で時間をかけるためには、その他の項目についてはほとんど考えなくてもプログラムできるレベルに到達しておいてください。
その為には過去問を手に入れる必要があります。職業能力開発協会で過去3年分の試験問題は販売されていますが、現金書留を送ったりと手配が面倒なのでAmazonや楽天でも購入できる過去問題集を手に入れることをおすすめします。
実技試験の配線時間短縮方法
実技試験はプログラミングの方に気を取られがちですが、配線の方もしっかり力を入れる(考えて配線する)ことが重要です。
本番では配線の割付(X〇〇やY〇〇がどのスイッチやランプにいくか)は当日発表されます。ここでミスをすると致命傷になる為、プログラム同等の緊張感で配線をしていく必要があります。
配線は規定内の一番細いものを使用する
線が太いと取り回し時に配線1つひとつから抵抗力が発生しますし、狭い端子台や入出力カードへの配線がしづらくなります。
僕は0.3mmのVSFという線を1m程度の長さで加工にして使用しました。そうすることで各作業のやりやすさが
カードの取り付け位置を工夫して配線する
僕は三菱のQシリーズを使用していました。
ベースプレートから入出力カードを取り外して、ベースプレートの右端に一旦取り付けて配線を行い、その後元の位置に取り付けるという手順で配線を行いました。
こうすることで配線がやりやすくなり、ミスの低減と時間短縮をすることができます。
配線しやすい検定盤の向きにする
検定盤は正面から見たときに端子台が奥側にあります。当然ながら自分の体から遠い位置では配線がしづらくなるのは言うまでもありません。
僕は検定盤を左に90度回転させて配線することで左手で線を、右手でドライバーを持って作業を効率化しました。
配線外しは電動ドライバーを使う
練習中に限りますが、配線練習した後に配線を外す時は電動ドライバーを使いましょう。
練習以外の時間を短縮することができれば練習時間をより多く確保出来るため、合格に少しかもしれませんが近づくことができます。
僕は以下のような電動ドライバーを使用しました。検定だけでなく実業務にも使用できますので、1本持っていて損はないかと思います。
シーケンス制御1級の計画立案等作業試験のコツ
計画立案等作業試験(ペーパー試験)は筆記に近い形での設計者的な知識や技能を問われる試験になっており、以下の4つのセクションによって構成されています。
タイムチャートを完成させる問題
10行ほどのラダー回路を見ながら、問題用紙に書いてある入力条件に合うようにタイムチャートを完成させていく問題になります。
1級の場合はタイムチャートの1マスの長さが1スキャンとなるので、1スキャンごとに結果が変わる場合(チャタリングする状態など)についても全て見逃さずに解いていく必要があります。
解いていく方向は縦向きです。現在の1スキャンの入力条件は次の1スキャンのときには変化してしまうので横向きに解くのは厳禁です。
他の3つの問題と比較して集中力が必要であることと時間がかかることからこの問題は後回しにするのが賢明でしょう。
FBD(ファンクションブロックダイアグラム)の問題
仕様に合わせてFBDを完成させていく問題になります。
ADD、SUB、DIV、MULなどの意味が分かるのであればそれほど苦労しないかと思います。
過去問を数年分やっていれば問題なく解けます。
PLC仕様を検討する問題
仕様に合わせてブロックの数や機器の数を求めていく問題になります。
この問題も最初は難しく感じるかと思いますが、慣れてしまえばそうでもないです。
40点入力があって入力モジュール(入力カード)1つが16点まで持てるならモジュールは3個必要になる。これが理解できれば問題ありません。
僕個人の感想になりますが、引っ掛け問題が多いのはこの問題かなと。見直しの時は ”何を聞かれているか?” を再度見直した方が良いと思います。
SFC(シーケンシャル・ファンクション・チャート)の問題
SFCの問題も普通にラダー回路を組むことができる人なら過去問さえちゃんとやっていれば苦労することはないかと思います。
逆に注意すべきは見間違いや勘違いです。見直しの時はもう一度解くつもりで取り組んだ方が良いかと思います。
シーケンス制御1級の学科試験のコツ
シーケンス制御1級の学科試験は電気系の検定ではありますが、機械系の問題(やすりの目の荒さや歯車に関する問題等)も当たり前のように出題される為、電気〜機械まで幅広い知識が必要になります。
問題を解く時にどのくらい自信を持って答えたか
過去問を解くときにどれだけ自信を持って答えられたかを◎、○、△、×などの記号を使ってメモしておくことが重要です。
問題を解いていくときに「この問題は絶対あってる!」と思って正解になるのと「あーこれはこっちの答えかこっちの答えかめっちゃ迷うなー」と思って正解になるのとでは雲泥の差なのです。
基本的に過去問での勉強は間違えた問題に対してはしっかり調べたりするとは思いますが、正解した問題についてはノーマークになりがちですので絶対合格を目指すなら多少手間でもやってください。
「誤っているものを選べ」の問題でより多く学ぶ
選択問題の中で「誤っているものを選べ」という問題があるかと思います。
このタイプの問題は正解となる「誤っているもの」意外は全て正しいことを言っているということに気付いているでしょうか?
ここに気付くことができれば1つの問題からより多くのことを学ぶことができます。
技能検定シーケンス制御1級の過去問の入手方法
過去問の入手方法は試験問題公開サイトや都道府県の職業能力開発協会など以下の4通りの方法があります。
技能検定試験公開サイトで閲覧する
最新のH30年度後期_電気機器組立_シーケンス制御作業1級の過去問題はこちらから閲覧可能です。
メリット:無料で閲覧できる。
デメリット:1年分しか入手できない
無料で閲覧できるのは大きなメリットですが、過去問は複数年分やらないと傾向が読めないので、シーケンスの検定がどんなものなのかを掴むだけならこれで良いかもしれません。
都道府県の職業能力開発協会から購入する
過去3年分のまでの過去問については1年単位で購入することができます。
あなたが住んでいる都道府県に過去問コピーサービスがあるか調べるには下記の記事がおすすめです。
メリット:必要な分だけ購入できる・安い
デメリット:現金書留で送るもしくは窓口に出向く必要がある(非会員の場合)
必要な情報(年度・級・職種)をピンポイントで指定して購入できるのが大きなメリットです。
ただし、入手するのに少し手間と時間がかかりますので、試験日に対してあまり時間的な余裕がない方にはおすすめできないかなと思います。
メルカリやヤフオクなどで中古本を購入する
メルカリやヤフオクで中古本を購入し価格を抑えながら過去問を手に入れる方法もあります。
メリット:過去問が安く手に入るかもしれない
デメリット:タイミングにより出品されてないことがある・試験前に価格が吊り上がることがある・落書きがされていることがある
とはいえ見てみないと分からないので、1度メルカリで検索されるのもおすすめです。
メルカリを初めて使う場合は、このサイト限定のクーポンコードが使用できます。
クーポンコード「YKFEWT」
市販の問題集を購入する
試験までに時間がないのでとにかく早く過去問を手に入れたい方は市販(中央職業能力開発協会が出版している)の問題集を購入するのが良いでしょう。
メリット:3年分の過去問が一度に早く手に入る
デメリット:少し値段が高い
この問題集があれば上記の平成30年の問題と合わせて4年分の問題が手に入ります。1年分攻略するだけでもかなり大変かと思いますので、4年分もあれば退屈せずに試験を迎えられるかと思います。
まとめ
・本番と同等の検定盤を使って問題を見た瞬間に回路が浮かんで来るまでとにかく練習!
・計画立案等作業試験はタイムチャートを後回しにする!
・過去問は公式サイトと市販問題集で4年分一気に揃える!
僕も技能検定シーケンス制御1級を合格するのにかなり苦労してきたので、あなたの苦労は分かるつもりです。
もし自分なりにしっかり考えて見てそれでも問題が解けないとか行き詰まってしまったら、僕のTwitterのアカウントにDMを送ってください。出来る限り力になります。
「シーケンス制御で悩んでいる人の力になりたい」それがこのサイトを立ち上げた僕の思いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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