この記事は
・実技試験の設備総合効率や稼働時間、時間稼働率などの求め方が良く分からない方
・自主保全士1級2級でできるだけ良い点を取りたい方
・忘れにくい計算方法を知りたい方
におすすめです!
僕が実際に使って自主保全士1級に合格したテキストは自主保全士1級2級のおすすめテキストの記事で紹介しています!
自主保全士実技試験の設備総合効率問題のかんたんな解き方
ここでは自主保全士実技試験の設備総合効率や稼働時間、時間稼働率や性能稼働率などをかんたんに計算する方法を紹介します。
慣れないうちは少し苦労するかと思いますが、1度やりかたを覚えてしまえばある程度問題が変わっても解けるようになりますので、一緒に頑張っていきましょう!
自主保全士の設備総合効率問題の例題
分かりやすいように例題として下記の問題に沿って解いていきます。
下記は○○工場の操業データをまとめた表です。
設問中の①~⑤に適切な数字をいれてください。
【○○工場の操業データ】
1日の操業時間:500分
1日の計画停止時間:10分
1日の停止ロス時間:故障10分、段取り変え15分×2回
1日の稼働時間:[ ① ]
1日の加工数量:800個
1日の不良個数:40個
基準サイクルタイム:0.5分/個
実際サイクルタイム:0.55分/個
時間稼働率:[ ② ]
性能稼働率:[ ③ ]
良品率:[ ④ ]
設備総合効率:[ ⑤ ]
最終的には①~⑤までを計算で導き出すのですが、どの項目が出題されるかは分からないので想定される部分についてのすべての計算方法を下記で紹介していきます。
解き方手順1:計算を簡単にするための図を描く
設備総合効率問題の解き方手順1は計算に必要になる項目をパターンに沿って図に描くことです。
設備総合効率問題には下記のような項目があり、これらの項目をできるだけ覚えやすく&計算しやすくするための図を描きます。
・操業時間
・負荷時間
・稼働時間
・実際サイクルタイムでの稼働時間
・正味稼働時間
・価値稼働時間
・時間稼働率
・性能稼働率
・良品率
見ているだけでもめまいがしてくるって?そうですね、僕も最初はそんな感じでした。
具体的にどんな図かというと下記のような形です。
「一体なんの呪文ですか?」という声が聞こえてきそうですね笑
この図があるだけで計算がめちゃくちゃ楽になるので、申し訳ないですが、これだけは暗記してください。
覚え方は右下から上に向かって「そうふかじっしょう じしょうそく りょうせい」と覚えます。毎晩寝る前に呪文のように唱えていればいつの間にか覚えます。
横線の引く場所と×印の場所も後で計算するために大切になってくるので書き間違えないようにしましょう。
慣れないうちはこの図を見ながら解いてもらって構いません。
各文字の意味は下記の通りです。
操:操業時間
負:負荷時間
稼:稼働時間
実:実際サイクルタイムでの稼働時間
正:正味稼働時間
時:時間稼働率
正:正味稼働率
速:速度稼働率
性:性能稼働率
良:良品率
一番右の列は全て「時間」、左の2列は全て「率」である点にも注目してくださいね。
解き方手順2:各時間の項目に数字を当てはめて1つずつ計算する
解き方手順の2として、図の一番右の列について順番に解いていきます。
操業時間は最初から問題に書いてあるのがほとんどなので計算の必要はありません。
そのまま500分が操業時間です。
負荷時間の計算方法
次に負荷時間ですが、操業時間から計画停止時間を引きます。
例題で考えると500-10=490分が負荷時間です。
稼働時間の計算方法
次に稼働時間ですが、負荷時間から停止ロス時間を引きます。
例題で考えると490-10-(15×2)=450分が稼働時間です。
実際サイクルでの稼働時間
次に実際サイクルでの稼働時間ですが、加工数量×実際サイクルタイムで算出します。
例題で考えると800×0.55=440分が実際サイクルでの稼働時間です。
正味稼働時間の計算方法
次に正味稼働時間ですが、加工数量×基準サイクルタイムで算出します。
例題で考えると800×0.5=400分が正味稼働時間です。
各時間の計算結果まとめ
計算結果をまとめると下記のようになります。
操業時間:500分
負荷時間:490分
稼働時間:450分
実際サイクルの稼働時間:440分
正味稼働時間:400分
計算自体は引き算と掛け算しか出てこないから意外と簡単でしょ?
解き方手順3:各率の項目に数字を当てはめて1つずつ計算する
解き方手順の3として各○○率の項目に数字を当てはめて1つずつ計算をしていきます。
計算をかんたんにするための図の横棒(割り算の記号)と×(かける)の記号はこの計算のために使用します。
速度稼働率の計算方法
速度稼働率は正味稼働率÷実際サイクルでの時間で計算できます。
例題で考えると400÷440=0.9090…が速度稼働率です。
正味稼働率の計算方法
正味稼働率は実際サイクルでの時間÷稼働時間で計算できます。
例題で考えると440÷450=0.9777…が正味稼働率です。
時間稼働率の計算方法
時間稼働率は稼働時間÷負荷時間で計算できます。
例題で考えると450÷490=0.9183…が時間稼働率です。
性能稼働率の計算方法
性能稼働率は速度稼働率×正味稼働率で計算できます。
例題で考えると0.8979…が性能稼働率です。
各率の計算結果まとめ
それぞれの項目の小数点以下4桁目を四捨五入してパーセンテージで表すと下記のようになります。
速度稼働率:90.9%
正味稼働率:97.8%
時間稼働率:91.8%
性能稼働率:89.8%
図を使っているからややこしい計算式をいちいち覚える必要がなくていいよね!
解き方手順4:良品率について計算する
良品率は加工数量から不良数を引いたものを加工数で割ることで求めることができます。
例題で考えると(800-40)÷800=0.95が良品率となります。
パーセンテージで表すと下記の通りとなります。
良品率:95.0%
解き方手順5:設備総合効率など必要な項目について計算する
設備総合効率は時間稼働率×性能稼働率×良品率で求めることができます。
例題で考えると0.918×0.898×0.95=0.7831…
小数点以下第4位を四捨五入してパーセンテージで表すと下記のようになります。
設備総合効率:78.3%
解き方手順6:問題の問に合わせて解答を書く
必要な項目は上記でやった計算ですべて出ているので、あとは必要な項目について回答を書くだけです。
①一日の稼働時間:450分
②時間稼働率:91.8%
③性能稼働率:89.8%
④良品率:95.0%
⑤設備総合効率:78.3%
自主保全士実技試験の設備総合効率問題のかんたんな解き方まとめ
この記事では設備総合効率問題をかんたんに計算する方法について紹介をしてきました。
設備総合効率問題は最初はとっつきにくいかもしれませんが、自分の中でパターンができればサービス問題に変わりますので、ぜひこの記事を参考に問題を繰り返し解いていただき、本番でも焦ったりしないように訓練していきましょう。
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