今回の記事は
・三菱PLCのラッチリレーってどうやって使うの?
・停電すると復旧に時間がかかりすぎて大変!
・技能検定でラッチリレーの問題があって学びたい!
におすすめです!
今回は三菱PLCのラッチリレーという停電前の記憶を保持するための内部リレーについて説明します。
三菱PLCのラッチリレーとは
ラッチリレーとは落雷などによって、設備電源が突然落ちてしまったときに電源が落ちる前のワークの状態やユニットの加工の記憶等を残しておけるリレーのことをいいます。
急に停電したらいろんな不具合が起こりそうだね?大丈夫かな?
三菱PLCのラッチリレーで停電保持をする目的とは
もし停電保持をしていない設備が突然、落雷による停電に見舞われた場合、どうなると思いますか?
もし停電保持をしていないとワークがどこにあるか加工が終わっているか、終わっていないか、などの生産に必要な情報が失われてしまいます。
結果、設備内のワークを人の手によって取り出す作業やユニットを各個操作によって原点位置に戻す等、時間や廃棄のムダを生んでしまうのです。
停電保持をすることによって電源が復帰した後も落ちる前の続きから移載や加工ができるため、異常処置のムダやワークの廃棄ムダを無くすことができます。
三菱PLCのラッチリレーの使い方
三菱のシーケンス制御の場合通常は内部リレー(M ○○)を使用しますが、
停電保持をさせたい場合にはラッチリレー(L ○○)を使用します。
これで自己保持などを作ってやることで停電後も記憶が残ったままになります。
(実際には復電後に1SCANだけONするのですが
ややこしくなるので考えなくていいです)
自己保持回路で表すとこんな風になります。
またセットリセット命令で
構成する場合もあります。
一般設備では異常が発生したことを停電保持しなければならないのでラッチリレーを使用します。
また、回路入力の時間を削減するために、セットリセットで回路を組むと良いです。
セットリセットで組んだ回路はこちらになります。
もしこれを自己保持で回路を組むと
ちょっとだけ長くなりました。慣れた方ならそんなに時間もかからず入力できるかと思います。でもセットリセットの方が早いです。
データレジスタ内のデータ(数字)を停電保持するには?
少し応用して、データレジスタという数字のデータを保管する箱にもラッチをかけることができるので紹介させてください。
左のウインドウのパラメータ→PCパラメータをダブルクリック。
すると以下の画面が開きますので。
右上のデバイス設定タブを開き、範囲を入力。今回はD80~D90の範囲にラッチをかけるようにしています。
こうしておけば、例えばD80に入っている7という数字が復電後も残ることになります。
回路を作っているだけではなかなか触らないところなので初めて知った方も多いのではないでしょうか?
停電してしまっても、復電後も同様の使用で動かなければいけないという場合にはこの方法を知っているとかなり楽になります。
今回紹介しました停電保持は実際の生産設備でも活用できます。同様の仕様で組むことができればワンランク上の、生産現場さんや生産技術の方々もしくはクライアントから感謝される設備にできるかと思います。
仕様になければ少し手間はかかりますが提案してみてもいいかもしれませんね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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