今回は三菱シーケンサでラダー回路を作成するときのエラーの代表格であるダブルコイル(二重コイル)についての解説と探し方について説明します。
この記事は
・三菱シーケンサの初心者の方
・ダブルコイル(二重コイル)の意味はしっかり分からないけど聞いたことがある方
・ラダー回路上にダブルコイルがないかチェックする方法を知りたい方
におすすめです。
結論としてはプログラムチェック機能を使ってダブルコイルを発見し、別の未使用デバイス番号に変更または削除するという方法になります。詳しくはこれ以降で解説していきます。
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三菱シーケンサのダブルコイル(2重コイル)とは
ダブルコイルとは一つのラダー回路の中で同じ名前のコイル(内部リレーM○○や出力Y○○など)が二つ以上存在してしまうことを言います。
特にラダー回路の作成に慣れていないうちは、自分がそうしようとしたわけでなくても、ダブルコイル状態になってしまうことがあります。
下の図では赤丸をつけたM10という内部リレーがダブルコイル状態になっています。

ダブルコイルがあるとどんな不具合が発生するのか
ダブルコイルが発生すると様々な不具合を起こします。例えば光るべきランプが光らなかったり、動くはずのないシリンダが動いてしまったりします。
以下の回路ではX10の押しボタンを押したらランプが光るという仕様の回路を、誤ってダブルコイルにしてしまった例です。
見かけ上はX10の押しボタンを押したらY0のランプが点灯しそうですが、2行目のY0の結果(OFFの状態)が優先して出力されるためにランプは点灯しません。
このようにラダー回路を作った人の意思とは全く違う動きをしてしまうので、最悪の場合部品が壊れたり人がケガをしてしまうなど取り返しのつかないことになります。
ダブルコイルをチェックする方法
ダブルコイルが発生しているかチェックするには、大きく分けて3つがあります。結論としては3.のプログラムチェック機能を使用します。他のやり方に興味がなければ次の大きな文字のところに飛んでもらって結構です。
- 自分の目でラダー回路を見て探す。
- 実際に動かしてみてエラーが起きているコイルの名前(デバイス番号と言います)を検索する。
- プログラムチェック機能を使用する。
まず 1.自分の目でラダー回路を見て探す についてです。この方法はラダー回路の量が少ない場合については特に問題無いのですが、ステップ数が100とか1000とかの単位になってくるとダブルコイルを見つけるのに莫大な時間がかかります。ちょっと現実的ではないですね。
次に 2. 実際に動かしてみてエラーが起きているコイルをの名前を検索する についてです。この方法を使えばほぼ100%の確率でダブルコイルを見つけることができます。
しかし、エラーが起きているということは、ラダー回路がまともに動いていない=シリンダやモータなどの可動部が他の部品と衝突してしまう という状況にもなりかねないです。できれば動かす前に発見したいですね。
そこで 3.のプログラムチェック機能を使用する訳です。この機能を使えばシリンダやモータなどの可動部を動かすことなく、しかも素早く、正確にダブルコイルを発見することができます。
GX-Works2のプログラムチェック機能の使い方
メニューバーの『ツール』→『プログラムチェック』をクリックします。
すると以下のような画面が表示されるので、2重コイルの部分にのみチェックを入れて実行するだけです。

2重コイルがあればマーカー付きで表示されるので、その部分について修正を行います。修正の方法は、ダブルコイルになっている箇所をまだ使用していないデバイス番号に変更するか削除するという方法です。
例えばM20がダブルコイル状態になっているなら、どちらか片方のM20をまだ使用していない内部リレー(例、M100など)に変更するか削除すれば解決できます。
A接点、B接点などの条件側も変更が必要になる場合も多いので、ダブルコイルが発生した場合は注意深く回路を観察してください。置換機能を使えば問題となる部分を素早く希望のデバイス番号に変更できるでしょう。
三菱シーケンサのダブルコイル解説と探し方まとめ
・ダブルコイルとは一つのラダー回路の中で同じ名前のコイル(内部リレー)が二つ以上存在してしまうこと
・ダブルコイルがあると回路作成者の意図とは全く違う動きをする恐れがある
・ダブルコイルを素早く正確に見つけるにはプログラムチェック機能を使う
僕が思うに、初心者の方はどうしてもダブルコイル状態を作ってしまいがちだと思います。でも今回紹介したプログラムチェック機能を使えばモノが壊れたり、人が怪我をする心配はほぼ0に等しくできます。回路の完成に安堵することなく完成度の高い回路を目指して頑張ってくださいね(´∀`)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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